乳児脂漏性皮膚炎
皮膚科には生後1,2ヶ月から90歳代まで実にさまざまな年齢の患者さんが来られます。
最近94歳の男性が黒のダウンジャケットとジーンズを着こなし颯爽といらしてて驚きました。かっこいいおじいちゃんでした!
さて、生まれてしばらくして赤ちゃんの可愛らしいほっぺにぶつぶつ、がさがさがでてくることがありますす。数ヶ月続くのでお母さんが心配して皮膚科に連れてこられることが多いです。
実は新生児期は一過性の性ホルモンの影響で、一時的に皮脂の分泌が多くなります。
生後4−5ヶ月を過ぎるとその影響が減ってきて皮脂が減り始め、一生のうち最も皮脂分泌の少ない乾燥する乳幼児期に入っていくのです。
一過性の皮脂の多い時期によく見られるのが乳児脂漏性皮膚炎です。
頭部、顔面、首に赤みとかさかさがでてきます。眉毛に黄色いかさぶたが付くことが特徴的です。
増加した皮脂が分解されその産物が皮膚炎を起こしたり、常在真菌の過剰増殖により悪化するといわれています。
軽度なら非ステロイド軟膏や保湿のみ、赤みが強ければステロイド軟膏にて治療します。
1日1回はよく泡立てた石けんで丁寧に洗いましょう。
適切なケアで2−3ヶ月でよくなりますが、その後も続く場合は乳児アトピー性皮膚炎へ移行することもあります。かゆみが強い湿疹が続くなら難治化させないようにスキンケアは続けていきましょう。