2016年02月11日

乾燥注意!

沖縄に乾燥注意報が連日出ています。
昨日のお昼にはクリニックの湿度も56%。
そのせいもあり当院にも乾燥からの湿疹の方が多くいらっしゃっています。以前の記事でも書きましたが、乾燥注意報は空気の乾燥により災害が発生するおそれがあると予想したときに気象庁が発表します。具体的には火災の危険が大きい気象条件を予想した場合に発表します。

これは各地域により基準値が違っていて、
札幌:最小湿度30% 実効湿度60%
東京:最小湿度25% 実効湿度50%
大阪:最小湿度40% 実効湿度60%
沖縄本島:最小湿度50% 実効湿度60%
などとなっています。
(※ちなみに実効湿度というのは、過去数日間の湿度の変化を考慮したもので、具体的には木材の乾燥度を示すものです。)
乾燥が続くと皮膚のバリア機能が低下するため、水仕事の多い方はさらに界面活性剤の影響で、手荒れしやすくなります。二重に(綿手袋+防水手袋)手袋をして、しっかり保湿しましょう。

また、赤ちゃんの乾燥もこの時期見られます。
国立成育医療研究センターでは、受診した乳児に保湿剤を毎日8ヶ月塗布したところ、アトピー性皮膚炎の発症率を32%減らす事ができたと報告しています。
乳児は皮膚のバリア機能が低下しがちなので、保湿剤を外用して角層の水分量を補う事は大事な事です。

炎症がひどく痒くて赤くなっている場合は湿疹となっているので、ステロイド外用が必要です。ひどく痒く掻いてしまっていると、保湿だけでは治らない場合もありますのではやめに皮膚科を受診しましょう。


近くの桜。
鮮やかなピンクに癒されます。  


Posted by nahakana-hifuka at 07:42

2016年02月05日

皮膚科でのニキビ治療

最近、受験が終わって本格的にニキビ治療を始める学生さんが増えています。
ニキビは90%以上の人が罹患するとても多い疾患です。平均的には男女ともに13歳前後に発症し、高校生でピークを迎えます。
患者さんにとっては美容的な観点から精神的苦痛を伴う場合もあり、可能な限り早めの治療が必要です。

特に炎症性ニキビ(赤ニキビ)が気になる方が多いと思いますが、ニキビ治療のゴールとは、何でしょうか。

それは、ニキビ痕を作らない、ことなのです。

赤ニキビの8.2%が3ヶ月以内にアイスピッカーを生じると言われています。
(※アイスピッカー:直径2mm以下の細く、深い、鋭い先細り型の点状瘢痕。)
ニキビ痕を作る前に炎症性ニキビ(赤ニキビ)を早く治す事が大事なのです。さらにその前の面皰(白ニキビ)を早く治す事、さらに目に見えない微小面皰を治しておく事が大事なのです。

面皰(白ニキビ)に対してはアダパレン(ディフェリンゲル)外用、炎症性ニキビ(赤ニキビ)に対しては抗菌薬外用(ダラシンゲル、アクアチムクリーム、ゼビアックス)、過酸化ベンゾイル(ベピオゲル)、過酸化ベンゾイルと抗菌薬の合剤(デュアックゲル)による治療があります。
また、中等症以上の炎症性ニキビ(赤ニキビ)に対しては、抗菌薬による内服、漢方も組み合わせて治療していきます。
皮膚科では、一人一人の年齢、ニキビの分布、肌質を見て、普段のお手入れ方法を聞いてそれぞれに合った薬を選択していきます。

ニキビは再発も多いので、炎症性ニキビ(赤ニキビ)が少なくなったあとも、維持期といって、面皰(白ニキビ)を作らないように継続した治療が必要なのです。

  


Posted by nahakana-hifuka at 20:21皮膚科の病気