水いぼ
水いぼは伝染性軟属腫といい、
molluscipoxvirus属、伝染性軟属腫ウイルスの感染で子供さんの体や四肢に発生します。
1mmから5mmほどまでの皮膚色の光沢のある丘疹です。
これは身内の4歳男児の大腿部の単発の水いぼです。
周囲に少し湿疹様反応を伴うことがあります。この例はごく軽度ですがこれはmolluscum反応と言われ、免疫ができたことを意味すると考えられています。経過をみていたら、この1ヶ月後に水いぼは自然に消えていました。
水いぼはお母さんの抗体がある乳児には少なく、幼稚園児に多く、さらにアトピー性皮膚炎の子に多くみられます。
プールや入浴時に水いぼを持っているお子さんから直接の接触やビート板などで感染します。また自分で掻いてしまって他の部位にうつすこともあります。
ビート板のあたるわき回りによく見られますが、掻いて広がると陰部やおしりや顔やまぶたにもできてしまいます。
例年初夏のプール前に摘除目的でたくさんいらっしゃいます。
日本臨床皮膚科医会と日本小児皮膚科学会の統一見解として
『プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。』
となっています。
多くは6ヶ月から数年で自然治癒しますので治療は放置しても良いのですが、中には多発していたり、3、4年にわたる場合もあり、他の者への感染を防ぐためにご家族と相談の上、希望される場合摘除しています。麻酔テープを貼って40分から1時間おいて1個1個ピンセットで水いぼの粥様物質を除去します。(病理組織的にはmolluscum bodyといわれる集塊です。)摘除以外にも液体窒素療法や硝酸銀ペーストなどの治療法があります。
摘除する際は、お子さんの負担にならないように配慮していますが、多発していると時間もかかります。皮膚のバリアー機能が低下していると広がりやすいので保湿剤を外用することで皮膚状態を良好に保つことも大事になってきます。冬場のスキンケアで予防していきましょう。
那覇かなぐすく皮膚科
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那覇市金城5丁目11−6小禄ガーデンビル1階
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院長 金森志奈子(日本皮膚科学会認定皮膚科専門医)
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