疥癬〜乳児からお年寄りまで〜

nahakana-hifuka

2014年03月08日 23:30

ここ2週間ほど、疥癬の患者さんが増えています。

疥癬はヒトからヒトへヒゼンダニがうつる感染症です。
クリニックには乳児からお年寄りまで年齢を問わずいらっしゃるので、集団施設では注意が必要です。
手のひらや、指の間、わきまわり、太ももの柔らかいところにかゆみの強い発疹が見られますので、怪しいと思ったら皮膚科へ行きましょう!

疥癬と言えば、激しいかゆみが特徴です。
ヒゼンダニが寄生してから1ヶ月後から全身性のかゆみが生じます。
虫体や糞などによりアレルギー反応によるものと考えられています。

では接触して直後はどうなのでしょうか?
実際に実験した先生がいらっしゃって『疥癬治療パーフェクトガイド』で和田康夫先生がご自分の手指に疥癬をのせて観察しています。
約0.4mmのヒゼンダニは毎分平均5cmの速度で活発に皮膚表面を動き回り、20分ほどかけてゆっくり皮膚をかきわけて頭部を皮膚に潜り込ませたとのことです。この間は痛みやかゆみなどの自覚症状が全くなく、かゆみを感じたのは翌日から、中程度のかゆみであったらしいです。遅延型アレルギーにしては早いので、一次刺激ではないかと推測されています。

寄生後数日間はその部分がかゆくなり、その後潜伏期間になり1ヶ月後に全身のかゆみがでてくることが多いようです。
いずれもダニによる皮膚の反応であり、ダニが這いずり回るかゆみではない、ようです。

私などは疥癬虫、卵などを見つけた直後には自分の腕や背中がなんだかかゆくなるのです。手袋使用していますので直接は触れていないのですが、これは心因性のかゆみであります。
実際疥癬の患者さんと密に直接接触しているのであれば、気のせいではないですので、皮膚科でみてもらいましょう。

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