2013年11月07日

疥癬の治療

クリニックが始まって、様々な皮膚疾患のかた、お子さんから高齢の方まで幅広くいらっしゃっています。これから乾燥の季節ですので、保湿をこころがけたいですね。また、木曜日は休診日となっておりますのでご了承ください。

さて。
皮膚科の病気の中でも最もかゆい病気の一つが疥癬(カイセン)です。
疥癬は古代から存在し、歴史上の人物や戦争中かかった兵士の戦闘意欲が低下したなどの記録が残っているそうです。
原因は疥癬虫(ヒゼンダニ)です。
顕微鏡でみえます。

人の皮膚にトンネルを掘って生活します。昨日の診察でもトンネル部の皮膚の一部をこそぎとって見つけました。
卵から2-3日でふ化し成虫になるまで卵から10日から14日かかります。
主に、接触感染で人から人にうつります。皮膚に症状が出るのは感染して4−6週間後といわれています。

夜間の強い掻痒、周囲での流行(介護施設など)、体幹はぱっと見て何となく汚い皮疹が混在し、紅色皮疹から茶褐色の一定でない色の皮疹、丘疹、結節、手掌指間部の皮疹などの見た目(臨床症状)も疑うきっかけとなります。疥癬虫の検出部位としては手が多く63%に上ります。

治療は、日本皮膚科学会疥癬診療ガイドライン(2007年第2版)には内服治療としてイベルメクチン(2006年8月から保険適用)となっています。外用としてはイオウ製剤などとなります。

通常の疥癬であれば、ダニの数が少ないため、看護介護、洗濯、掃除において特別扱いは必要ありません。しかし角化型疥癬であれば隔離、ガウンは必要となり配慮が必要です。

介護看護されている方などで、夜寝れないほどのかゆみ、皮疹があれば、お近くの皮膚科でみてもらいましょう!


同じカテゴリー(皮膚科の病気)の記事
手荒れの季節です
手荒れの季節です(2018-10-25 18:15)

りんご病
りんご病(2018-10-19 17:57)

保湿の季節です!
保湿の季節です!(2018-10-18 13:35)

ニキビとメイク
ニキビとメイク(2017-03-26 21:34)


Posted by nahakana-hifuka at 07:01 │皮膚科の病気