2013年12月16日

イーユヌミー

私は生まれも育ちも那覇の小禄で純粋なうちなーんちゅですが、祖父は沖縄戦で、祖母は私が1歳のときに他界したため、方言にふれることなく過ごしほとんど話せません。
それでも診療中に少し方言を使うことがあります。
その方がお年寄りには伝わるからです。

たとえば、、、。

腫れ物(せつ):ニーブター
いぼ:クチビ
魚の目(鶏眼):イーユヌミー
粉瘤:トーフノカシー
帯状疱疹:タンガサー
冷凍凝固術:ヒジュルヤーチュー

ちなみにイーユヌミーについては長年私が疑問に思っていることがあります。
あの有名な赤田首里殿内(あかたすんどぅんち)の歌の囃子の部分です。
(囃子)しーやーぷー しーやーぷー (頬に手を当てる)
    みーみんめー みーみんめー(耳に手を当てる)
    ひーじんとー ひーじんとー (肘に手を当てる)
    いーゆぬみー いーゆぬみー(手のひらに指を当てて指す)

赤田首里殿内はNHK『にほんごであそぼ』でも使われていたり沖縄都市モノレール(ゆいレール)の首里駅の案内音声にオルゴール音に編曲されたものが用いられたりと沖縄ではとてもポピュラーですね。
現在の沖縄県那覇市首里赤田町において、琉球王朝時代から石川家を中心に行われてきた祭礼「弥勒迎け(みるくうんけー)」で唄われていた童歌とのことです。

囃子の部分は子供たちが手遊びの振り付きで歌うのでとても楽しく微笑ましいものです。

さて、『イーユヌミー(魚の目)』はなぜ手のひらに指を指すのか?というのが私の疑問です。

手のひらに魚の目(鶏眼)はあまりできないし臨床的に鶏眼と疣贅が似ているので、皮膚科的には疣贅なのかも、と思いますが。はたまたタコ(胼胝)のことか?それとも本当にお魚の目を歌っているのか?
謎です。



赤田首里殿内あかたすんどうんち

赤田首里殿内 黄金灯籠提げてぃ
あかたすんどぅんち  くがにどぅーるーさぎてぃ

うりが灯がりば 弥勒御迎え
 うりがあかがりば   みるくうんけー

(囃子)しーやーぷー しーやーぷー 
    みーみんめー みーみんめー
    ひーじんとー ひーじんとー 
    いーゆぬみー いーゆぬみー


東明がりば  墨習いが行きよん
あがりあかがりば しみなれーがいちゅん

頭結てぃ給り 我親がなし
かしらゆてぃたぼり わうやがなし

     (囃子)

だいこくの弥勒 我が島に往もち
 だいくくぬみるく    わがしまにいもち

御拡きぼせみそうり 弥勒世果報
  うかきぶせみそうり     みるくゆがふ

     (囃子)

道々の巷   唄歌てぃ遊ぶ
みちみちぬちまた うたうたてぃあしぶ

弥勒世の世果報 近くなたさ
 みるくゆぬゆがふ     ちかくなたさ

     (囃子)


1 首里赤田村の首里殿内に 黄金に輝く灯籠を提げて
  それが明るく灯ったらば 弥勒様をお迎えしよう

2 日が昇ったら 学校に参ります
  髪を結って下さいませ 私の親御様

3 だいこくの弥勒 私の島にもおいで下さい
  そして広めて下さい 弥勒の太平の世「ゆがふ」を

4 道々のそこかしこ みんなが唄を口ずさむ―平和な世の中
  弥勒の「ゆがふ」が近くなったようだよ


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Posted by nahakana-hifuka at 23:02 │院長日記