2014年01月16日

『未来への贈りもの』

手塚治虫大先生の漫画に有名な『ブラックジャック』があります。
若い方は『ブラックジャックによろしく』(佐藤秀峰 作)のほうがピンとくるかもしれませんが、手塚先生の本家の『ブラックジャック』の方は小学生のころなどは兄妹友人皆で読んでいたものです。
その中でも記憶に残っているものに『未来への贈りもの』(チャンピオンコミックス ブラックジャック16巻1979年秋田書店)という作品があります。 

この中に登場する女性は全身性エリテマトーデス(SLE)を患っています。蝶型紅斑が顔にあり光線過敏症があり外に出れません。難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の男性と恋に落ちて二人はついに結婚します。冷ややかな素振りで二人を見守っていたブラックジャックですが、10年後病気の進行した男性とその妻のSLEの女性にモスクワ科学アカデミーの研究、人工冬眠を二人にプレゼントします。未来なら病気の治療法が見つかるかもしれないと。。。
実は優しいブラックジャックや、医学の進歩を願う手塚先生を感じられる作品でした。

初めて医学部でSLEに関連する講義を受けたときにはブラックジャックにあったこの病気だ!と感じたことを覚えています。
SLEは腎炎や肺高血圧症など臓器障害が見られることがあるため内科や大学病院で診てもらうことが多いのですが、顔の頬部紅斑、蝶形紅斑、口腔潰瘍、日光過敏、蕁麻疹様紅斑、脱毛など最初に皮膚症状で皮膚科クリニックを受診されることもあります。浸潤を触れ、ちょっとかぶれとは違うな?という顔の紅斑や蕁麻疹血管炎の患者さんは膠原病との関連がないか検査する必要があります。症状がそろってないと診断につなげるのが難しいことではありますが、女性の顔の紅斑では、常に膠原病について考えるようにしています。




那覇 皮膚科



Posted by nahakana-hifuka at 23:58