2014年02月14日

かゆみ止めって眠気がある薬の方が効く?

皮膚科ではかゆみを伴う疾患が多いので、抗ヒスタミン薬、いわゆるかゆみ止めを処方することがよくあります。
その際に、タイトルのようなことを患者さんからよく聞かれます。
眠気が強い薬が効果も強い、と思われがちですが、実際は眠気と効果は相関する訳ではありません。

ヒスタミンは、皮膚において、血管透過性亢進作用とかゆみの伝達作用があります。
つまりヒスタミンが放出されると、血管に作用して皮膚のふくらみや赤みを起こし、神経を通してかゆみを起こします。

脳内においては、ヒスタミン神経系の伝達物質として覚醒作用や認知機能の向上などに働きます。
抗ヒスタミン薬はこれらの働きを抑制するので、『眠気』、『倦怠感』などの副作用が起きるのです。

また、抗ヒスタミン薬は、脳内のヒスタミン受容体占拠率が50%以上を鎮静性、
50〜20%を軽度鎮静性、
20%以下を非鎮静性と分類されています。

初期に開発された鎮静性抗ヒスタミン薬は眠気、倦怠感の多い薬で、1983年以降開発された薬剤は第二世代抗ヒスタミン薬として分類されています。
また、1994年以降に開発された抗ヒスタミン薬はおおむね非鎮静性の基準を満たしています。

とはいっても抗ヒスタミン薬の効果、副作用については個人差があるため、初めて飲む場合には運転や高いところの作業に注意した方がよいと思います。
かゆみ止めって眠気がある薬の方が効く?
抗ヒスタミン薬は壁にはってあるように、たくさんの種類があります。
慢性じんましんなどで長期に飲む場合は、副作用、効果をみながら一人一人にあったかゆみ止めを選んでいくことが大事になってきます。


同じカテゴリー(皮膚科の病気)の記事
手荒れの季節です
手荒れの季節です(2018-10-25 18:15)

りんご病
りんご病(2018-10-19 17:57)

保湿の季節です!
保湿の季節です!(2018-10-18 13:35)

ニキビとメイク
ニキビとメイク(2017-03-26 21:34)


Posted by nahakana-hifuka at 18:19 │皮膚科の病気