2014年06月20日

蚊さされ

2歳頃から、夏の活動時になると手足の虫さされが増えてきます。
蚊に刺された後、刺された場所がまぶたや手背部だとかなり腫れるので保護者の方がびっくりされて病院へ連れて来られます。

都市部ではアカイエカ、ヒトスジシマカ、農山村部ではコガタアカイエカ、オオクロヤブカなどがいます。
蚊に刺された直後の炎症反応は、血を吸う際に皮膚に注入される蚊の唾液腺物質によるアレルギー反応で、かゆい赤み、ふくらみがでます。
その後1−2日してからやや触れる紅斑、水疱がでることがありこれを遅延型反応といいます。乳児期から学童期の蚊刺症ではかなり激しい遅延型反応をおこすことがあるのです。

刺されたあとの反応は個人差がありますが、だいたいは年齢によって軽くなっていきます。何度も刺されているうちに、ついにはなんと無反応となります。
実家のおじいちゃんが家は蚊はいないよーといっても、それはおじいちゃんが刺されても反応していないだけのこともあります。
まだ小さいお孫さんは蚊に刺されると遅延型反応が強くでますので気をつけましょう。

蚊刺症のほとんどは、痒み止めの内服と外用治療にて1−2週間でおさまっていき心配するものではありません。しかし、蚊に刺された後に38度から40度の発熱を伴う場合、水疱を作った後に潰瘍(かいよう)といって深い傷になって1ヶ月も治らない場合は『蚊刺過敏症』といって注意が必要です。このような場合はEBウイルスの持続感染が関与しており採血検査をする必要があります。

また、蚊に関連して述べますと、日本脳炎の予防接種も大事です。2011年には那覇市で小児の日本脳炎患者さんが発生しています。
一般に日本脳炎の感染リスクは農村部で高く都市部で低いと考えられ ます。しかしながら、日本脳炎を媒介するコガタアカイエカは活動範囲が広いため、都市部であっても日本脳炎に感染するリスクはゼロではありません。

ちなみに日本脳炎を媒介するコガタアカイエカは豊見城(三角池)や、那覇市の公園でも採取報告があります。
これから夏の活動が増えていきますので長袖長ズボン、上手に防虫スプレーを使用してなるべく蚊に刺されないように気をつけましょう。
とはいっても難しいのが現状ですが。。。
蚊さされ


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Posted by nahakana-hifuka at 21:31 │皮膚科の病気